新築の間取り。すごく悩みますよね。せっかく建てたマイホームなのに、住みはじめてからもっとこうすればよかったと思っても後の祭りです。できるだけ多くの事例を見て、あなたの家族にあった間取りを作り上げましょう。
そこで今回は、我が家でやってよかったおすすめの間取り6選をご紹介します。我が家は家事動線や生活動線にこだわっています。もし共感いただけたら、ぜひ家づくりの参考にしてみてくださいね。
✔ 新築でやってよかった間取り6選
① 廊下をつくらない
② ファミリークローゼットをつくらない
③ ランドリースペースをつくる
④ 脱衣所を独立させる
⑤ バルコニーをつくらない
⑥ 玄関の空間を区切る
1.廊下をつくらない
我が家はとにかく無駄なスペースを削ろうとしていました。なぜならば、幼い子供がのびのび動き回れて、家族もゆったり過ごせる広いリビングを確保したかったためです。そのために一番最初に無駄と判断したのが廊下です。考えてみれば、賃貸住まいのときに、廊下が短かったから家事動線も短くて済んでいたし、廊下が少なくて困ったこともありませんでした。
そして実際に住んでいる今も、廊下がなくて困ることは全くありません。どうしても階段の始めと終わりに少しだけ廊下のような空間はありますが、1階で言えば1畳分だけです。
洗面所やトイレはどうやって空間を分けたんですか??
ドアを設けることで空間は充分に分けられるんだよ。しかもトイレに関しては、階段下空間をうまく利用することで、1畳分リビングから離れたところに作れたんだ。(画像参照)
ほお。階段下も有効活用ですか。ほとんど無駄な空間がないんですね。
そのとおり。その分各部屋を広くすることができたんだ。我が家の一番のおすすめポイントかもしれないな。
2.ファミリークローゼットをつくらない
世間で人気のファミリークローゼット(以下F/C)。家族の衣類が一つの部屋にまとまっていて、洗濯した後にしまうのが楽になるということで、多くのメディアでおすすめされています。しかし、我が家はある理由であえて造らなかったのです。
F/Cがある生活を実際の家族構成でシミュレーションしてみたんだ。ちょっとやってみるかい?まずは朝起きるところからやってみよう。
は、はい。。 まずうちの家族構成は夫婦2人と高校生の娘、中学生の息子の計4人です。みんな出発時刻がほぼ一緒なので、一緒に朝起きて、トイレとか洗面所でバタバタするだろうな。そしてみんなでご飯を食べ終わったら、クローゼットへ着替えに行きます。するとみんなが一緒に着替えて…。あ! なるほど、まずいですね。
そう。F/Cは複数人が同時に着替えるには不向きなんだ。同性同士ならばいいかもしれないけど、年頃の娘と父親は一緒に着替えにくいよね。そうすると、時間をずらすか、結局服を各部屋に持っていって、着替えることになるんだ。朝は1分1秒を争うから、できるだけスムーズに行動したいよね。
シミュレーションしてみるもんですね。
少なくとも我が家の朝ルーティーンに合っていなかった。だから広いF/Cをやめて、各部屋にクローゼットを設けることにしたんだよ。
このように我が家では生活動線を優先しました。その分、冒頭に書いたような、家事動線の短縮はあきらめています。ただし、ほかの工夫をすることで、洗濯家事を楽にすることもできました。次のトピックでご紹介します。
3.ランドリースペースをつくる
天候によって洗濯ができなかったり、花粉や虫がつくのも嫌。こういった理由で、洗濯専用の空間をつくりました。外出中に雨が降ってきて、あわてて帰ることもありませんし、外干しで下着などが近所に見られることもありません。
我が家は洗濯機、乾燥機、物干し竿が同じ空間に設置されています。つまり、洗濯はすべてこの1部屋で完結できます。
またこのランドリースペースは、脱衣所の隣に配置されています。加えて、我が家は脱衣所に、下着やパジャマ・バスタオルが収納されています。それによって、乾いた下着やパジャマ・バスタオルなどは、たった3歩ほど歩けば収納できます。これメチャクチャ楽です。
脱衣所に置かない服たちは、このランドリースペースでたたんでまとめたのち、5歩先の階段の3段目くらいに置いておきます。すると、各自が部屋に上がるときに、自分のものを持って上がれるのです。
このようにランドリースペースを中心に、最大5歩程度歩くだけで、2Fなど別フロアには1度もいかなくてよいです。今まで当たり前と思っていた、濡れた洗濯物をかごにいれて、階段をあがり、ベランダのサンダルを履いて干す。なんて無駄なことはしなくても良いのです。
位置関係の画像
4.脱衣所を独立させる
私が育った実家は、脱衣所と洗面所そして洗濯機が一つの空間にあります。誰かがお風呂に入っていると、ドアに鍵がかかっているので、洗面所が使えませんし、洗濯機をまわすこともできません。知らない間に家族の誰かがお風呂に入ってしまうと、洗濯や歯磨きの時間をずらさなければいけないのです。これ、とても使い勝手が悪いなあと感じていました。
そこで我が家は、お風呂+脱衣所の空間と、ランドリースペース+洗面所の空間とに分けました。脱衣所のドアには鍵がついていますので、誰かがお風呂に入っているときも、気兼ねなく歯磨きや洗濯ができます。
これは子供が大きくなったときや、来客時にも効果を発揮してくれます。
少し面倒なのが、いままで当たり前になっていることってないかな? それらを解消できる間取りがないか、少しだけ時間をかけて考えてみよう。それが期待以上に生活の質をあげることになるんだ。
5.バルコニーをつくらない
前述したとおり、我が家はどんな天候でも洗濯できるように、年中室内干しスタイルです。するとバルコニーの役割の90%はなくなると考えました。
しかもバルコニーをつくらないことのメリットのほうが多いと感じました。
:掃除が減る(床面やサンダルに溜まる砂)
・掃き出し窓がいらない(断熱性が保たれる+虫が入ってこない)
・建築費用が安くなる
・他の部屋を広くできる(バルコニーの位置に依る)
・ご近所とのバルコニー井戸端会議をしなくてもよい(好きな人もいるかな)
住み始めてからも特に不満はありません。結構おすすめです。
わたしの実家には大きなバルコニーがあるんだけど、雨漏りの原因になったこともある。開放的で気持ちがいいというメリットもあるんだけど、なにを優先するか一度家族で話し合ってみよう。
「バルコニーはフツーつくるもの」くらいに思っていました。つくらない選択肢もありなんですね。
6.玄関の空間を区切る
実家に住んでいたころ、廊下の温度が外気に影響されやすく、冬はとても寒いし、夏はすごく蒸し暑いという印象でした。
マイホームではこの問題を解消すべく、原因を考えてみました。答えは単純、玄関からの外気侵入だったのです。
玄関に入るとその先に廊下がつながっている家をよく見ませんか?そしてそれが当たり前だと思っていませんか?
その構造こそが、あの不快感を助長しているのです。
前述のとおり、我が家に廊下はありません。無駄なスペースの削減を目的としていましたが、結果的に玄関とひとつながりの空間をなくすことにも一役かっていたのです。
我が家の玄関は、一つの空間として独立しています。靴を脱いでドアを開ければ、すぐにリビングという配置です。そして、その二つの空間を隔てるドアのおかげで、玄関からの外気をシャットアウトできます。
これで、外出時以外は温度に関して不快な思いをしなくても良いのです。
まとめ
今までの生活を振り返ってみると、無意識に少しだけ我慢していたことが想像以上にあるものです。そしてその少しの面倒くさいを解消すると、想像以上に生活の質が上がることを実感しています。少し手間ではありますが、一度今までの生活を振り返って、なにか解消すべき問題はないか家族で意見を出し合ってみましょう。きっと後悔しない家族にフィットした間取りができるはずです。